お風呂で、ところどころ

湯舟に浸かりながら本を読むことが多いのですが、最近お風呂場に持込んでいたのは『パリの友達』。出版された当時から気にはなっていたのだけれど、今まで何となく手に取らずにいた本でした。六年越しで開いたそれは、私の好きな“主人公のいるガイドブック”。パリに住む〈彼女〉の身の回りの出来事が沢山のイラストと一緒に綴られた中身はけっこうなのんびり加減で、お風呂本にうってつけでした。モン・サン・ミッシェルがフランスの江ノ島だなんていう表現にはにっこりだし、ハンマームの話を読んだ後は、思わず手足の垢摺りなんてことを始めてみたりして。それにやまだないとさんの描く女の子の服装の色合わせやムードが良くて、真似してみたい気分も盛り上がる(この頃雑誌などを見ても、ぴんとくる格好があまりなかったので尚のこと)。去年のパリでの女の子とのデートも思い出したりして、のぼせそうになりながらもずいぶん楽しい時間を過ごせました。旅本の指定席は、ここしばらくの間は家の湯舟になりそうです。