pour mademoiselle

「マドモアゼルの為のテキスト」*1という古書販売イベントに立寄る。会場は間之町通のQurante*2という喫茶店
棚や床置きされた木箱の中に見える背は、きっと今日が最終日だからなのだろう、もしかしたらそれらは著名性ゆえのプレミア(相場を知らないから実際のところはあたいには分からないけれど)のお陰で女のこたちは手を出しづらかったのかも知れないと思えるような、いやもっとストレートに、すでにそれらが並んだどこかの女のこの本棚が想像されるくらいの、いわゆる“女の子っぽい古本”の見覚えのあるものばかり。
文庫本の箱の中に、あたいの恋人とその姉が「躁病」と形容する料理研究家の著書を見留めたが、それはあたいが以前に彼女のドイツの住まいから日本へ帰るときに借りた一冊だったことも思い出す。
どの本も手にとることはなかった。あたいと出会ったパリジャンはひとり残らず、間違いなくあたいをマダムと呼んだ。そう、このイベントの名称は実に正しい。

*1:http://www.nk.rim.or.jp/%7Eapricot/event/mademoiselle/ 古書販売は貸本喫茶ちょうちょぼっこモダンジュース古書部が担当。あぁ会期のもう少し早い内に来れていたならと後悔させる気配がそこここに

*2:http://shio.bird.to/