ルーシー・リー展 器に見るモダニズム*1

ルーシー・リーの存在は今まで何となく知っていたけれど、ここ一年くらいの間に、私がそのセンスに信頼を寄せている頭文字mのお姉さま方の口から文章から彼女の名前をよく聞くようになって、日増しに気になってしかたがなかったから、今日はニューオータニ美術館で開催されている展覧会へ行って来ました。
ルーシーさんの陶器を、静謐な/シンプルな/すっきりとした/佇まい、って一言で表現してしまうことは、もちろんその通りとも言えるのだけれど、同時に、器の縁に見る独特の薄さを◯◯◯のようだ、と何かに例えることの下らなさを私たちにそっと知らせる迫力もたたえている。
表面を釉薬の筆でなぞっただけなのに、例えばその色付けされた桜色は、内側から滲むような、日本画における肉の色のようで見ていると吸い付きたくなるし、とか舌の根も乾かない内からそんなことも言いたくなってみたり、つまり俗と品との両極を合わせ持った均衡がたいへんにその魅力なのだと思いました。