水上バス乗り場へ行くと、20分後にヒミコが出航するのを知りとても惹かれたけれど、行き着く先はお台場。下船したところで海浜公園は悪くはないが大方途方に暮れるのは明らかなので、当初の予定通り浜離宮へ寄るノーマルな船へ(船着き場を出るときにちょうどヒミコが下流のほうから近づいてきて、やはりその姿を見ると携帯のレンズを向けずにはいられなくなる)。
後方テラスのベンチに横座り、臀部にモーターの振動、鼻先を掠める時折の焦げ臭さ、など感じながら、隅田川テラスの人に手を振ってみたり橋の下の鉄骨を見上げたりの35分。浜離宮、立派な枝振りの松がいたるところで盛り盛りしている。盛り部分を注視する間もなく、密集する針葉樹の繊細な表情と濃い緑が迫ってきて、美しさに心が沸き立つ。
近場の外資系ホテルのラウンジで、ダージリンファーストフラッシュを飲んで喋っている間に日が暮れた。