箱根の山は

Kちゃんと新宿駅で待ち合わせて10:30のロマンスカーに乗車。車中で彼女からハンドメイドのブックカバーをプレゼントされたのは、ちょっとだけ列車の名前に忠実な出来事だとかってゆっとくべきですかーありがとう。
箱根湯本に到着。宿*1に荷物を預けて、星の王子さまミュージアム*2へ行ってみることに。敷地内に再現された古いプロヴァンスの町並だとか、テグジュペリが子供の頃に過ごしたお城を外観に設えた展示棟だとかをぶらぶらしつつ、なかなか可愛らしい施設だなぁ観光地にお約束のファンシーさの体現としては上質な方だよなぁ同じ経営の青山のショールームはそういえば閉店していたなぁなどと思いを巡らせ、ミュージアムショップの品数の豊富さを堪能しつつ何も買わず、ここの商業性が今や大人の女性がその残り僅かな純真さをアピールする小道具としてこの物語を位置付けている様子が何となく浮かんできたりして、自分の捻くれに付合いつつ施設を後にしました。
物語は子供の頃に読んでいるけれど、印象に残ったのはウワバミのくだり及びその中身(象)とフォルムだけなのだと言うことに気付きました。本当に、象も蛇も私は大好きなのです。

ミュージアム前でバスを待つ間に、有名ミュージシャンのデート現場を目撃しミーハー心が盛り上がりましたが、箱根のこんな場所を二人きりでぶらついているだなんて明らかにプライベートな様子なので、ここでは名前を伏せたいと思います。
箱根登山バスは、多様なカーブの経路を登り下りともに存分に体感できて、湯本に降りた頃にはぐったり。バスを降りたすぐそばの喫茶ユトリロでひと休みすることに。お店は縦に細長い造りで、入り口付近のテーブル席には四谷シモンの人形などが飾られていて耽美気味の落ち着いた設えなのですが、うっかり座った奥のスペースは平賀敬*3の絵画の数々が壁面にぎしっと掛けられていて、バス揺れの余韻に追い討ちをかけるようでした。

思っていたより箱根の夜は早く土産物屋、食堂など続々と店じまい、雨も降ってきたので宿に戻り露天風呂。お湯と雨で冷えた外気のコンビネーションが程よくて、喋りながらかなり長く楽しみました。ハーゲンダッツのキャラメル味のや抹茶味のを舐めたり内風呂にも入ったり、そういえば例の“旅館の浴衣がはだけない裏わざ”をやり忘れたのですが、あまりにぐっすり眠っていたお陰か、起きても浴衣に殆ど乱れがありませんでした。

*1:http://senkei.net/index.html

*2:http://www.lepetitprince.co.jp

*3:http://www.hakonet.co.jp/art/hiraga/ この方について良くは知らないんですがページによると映画にも出演していてそれが『グラン・プリ』、といえばソール・バスですね。そういえば最近復刊された『アイデア別冊 ソール・バス&アソシエーツ』ISBN:4416603037には79年版があるのですが確かに今見ても充実した内容ですものね。