ポール・ジャクレー展

横浜美術館ポール・ジャクレー展』見学。サブタイトルに“虹色の夢をつむいだフランス人浮世絵師”とありますが、確かに浮世絵なのだけれどそれはあくまで技法についてのことであって、描かれている世界を従来のイメージに当てはめると間違いなく物凄い(しかし心地よい)違和感に襲われます。日本大好き・ちょうちょう大好きがいじんの指定する摺色はくすみなく、時に蛍光で各々まばゆい。どの人物も目つきがえろい。落款の“若礼”当て字ににんまりさせられながらも、その彫られたモティーフの可愛らしさ(蝶々に小鳥にお花に‥女子なら間違いなくきゃーのちいさなはんこ群!)にやられてしまう。200点以上の作品を見終える頃にはもはや隠し味ではなくなったフレンチ特有の脂っこさが観る側自身にもしみてくる。期間終了真際の見学だったのが悔やまれるほど、久々に何度も観たい展覧会でした。