アパートの階段下に、何か綺麗な欠片を見留めて次の瞬間、白のちぎれた蝶の羽根であることに気付くと同時に心に登ったのは猫の前足と僅かな憂鬱で、さらに歩くと、今度は同じく切れ切れになった、しかし百合の花弁が道に散っていて、水を含んだ空気がそのまま自分にのしかかってくるような気持ちを感じた昼過ぎです。